森林療法の可能性と展望 | BOTANICAL LIFE TIPS
  • 2020/06/04

    森林療法の可能性と展望

    こんにちは、グリーンフラスコ株式会社代表、薬剤師の林真一郎です。

    わが国は国土の3分の2以上を森林が占める「森林大国」なのですが、残念ながら森が有効に活用されていません。その一方、ストレス社会が深刻化する中で、森林が持つ癒しの効果に注目が集まっています。

    森林療法の可能性に早くから着目し、自ら実践を重ねてきた上原巌さん(東京農大)は、森林療法が特に有効な領域として次の4つを挙げています。

    ①こども
    ドイツには森の幼稚園(キンダーガルテン)が220ヵ所以上もあるそうです。森で保育することの一番大きな効果は、言葉の発達が早いことだそうです。森で遊ぶというのは予期せぬ出来事の連続であり、まわりと協力しないと遊べないためだということです。

    ②高齢者
    森は五感の刺激に富み、また懐かしさを感じて子供の頃を思い出すなど、体のリハビリはもちろんのこと心のリハビリの効果が大きいそうです。作業療法士などの専門家がひとり付くと、森はさまざまな意味で治療的な空間となります。

    ③障害者
    障害者は室内で生活することが多いのですが、森に行くことでさまざまな解放感が得られます。療育には園芸療法も活用されますが、森林療法は園芸療法の現場に比べて3次元的、ダイナミックであり、空間的な広がりを利用できます。

    ④心理療法の対象者
    森には心理的な保養効果があり、中でもカウンセリング空間として非常に有効、有用であるそうです。会話を交えなくても、一本の樹木を一緒に見ているだけで効果があるそうです。また、さまざまな刺激や太陽光の入り具合などはうつ病などの症状を和らげるといいます。

    今後、わが国の森林がセラピーの場として活用されていくために、安心して入れる森の整備や、さまざまなアクティビティのノウハウの蓄積など、ハード面とソフト面のいずれもの体系化が必要になると思われます。