香りで味わうクリスマス | BOTANICAL LIFE TIPS
  • 2019/12/19

    香りで味わうクリスマス

    もうすぐクリスマス。

    華やかなイルミネーションが目を引くこの時期ですが、クリスマスツリーやクリスマスリースなど植物たちの飾りにも注目したいものです。

    先が尖った円錐形の木を使うクリスマスツリー。
    一般的には、北半球の温帯~寒冷地に分布する常緑針葉樹、マツ科モミ属の「モミの木」と言われますが、同じくマツ科トウヒ属の木々も同じような樹形でよく使われています。

    もともと植物とは無関係だったキリスト教でクリスマスに木が使われるようになった歴史は、意外と浅く1400年の初頭と言われています。
    樹木信仰が根強かったゲルマン民族をキリスト教に改宗させるために、彼らが冬至の祭りで使った樫の木を、先が尖った円錐形(横から見ると三角形の)モミの木に変えて、「三位一体(頂点が「父」、底辺2か所が「子と精霊」)」に当てはめたことが、クリスマスツリーの発祥といわれます。
    さて、フィトセラピー(植物療法)の一部であるアロマセラピーの観点からモミの木などの針葉樹を見てみますと、芳香物質(アロマセラピーの「精油」)の量は、広葉樹よりもかなり多く含まれることが知られています。
    マツ科では他にも「パイン」、ヒノキ科では「サイプレス」などの精油が有名ですが、マツ科モミ属のトドマツから採れる国産精油は、「北海道モミ」と名付けられ販売されています。
    針葉樹の香りには、鎮静、緊張緩和、抗菌作用などがあり、森林浴で有名なフィトンチッドなので、室内の浄化や呼吸器系にも良い作用をもたらします。
    そう思うと、クリスマスツリーの普及は、キリスト教に関係しただけではなく、これらの木を室内に持ち込むことで、植物の持つ力を上手に生活に取り入れ、乾燥した寒い季節を健康に過ごすために始まった先人の知恵であったのかもしれません。

    現代、生の木のクリスマスツリーで香りを楽しむことは難しいですが、代わりに温かい部屋に針葉樹の精油を漂わせてはいかがでしょうか?
    簡単に快適なクリスマスのボタニカルライフを楽しむことができます。