世界的な医薬品のもとはあの植物 | BOTANICAL LIFE TIPS
  • 2019/09/12

    世界的な医薬品のもとはあの植物

    先日、一部医薬品を公的医療保険の対象から除外する方向で検討が進められているという報道がありました。
    医療保険制度の現状を鑑みると、そうした対応も今後必要なのかもしれません。
    私たちの健康を保つ上でとても大切な医薬品ですが、その多くが、植物を原材料に発展してきたことをご存知ですか?

    有名な所では「アスピリン」の名で知られる鎮痛解熱剤です。
    その大元の原材料は「ヤナギ」です。人がヤナギの葉や樹皮を一定の目的のために使用したのは、紀元前400年ごろまで遡ります。
    医学の父・ヒポクラテスは、ヤナギの樹皮を熱や痛みの緩和に役立てました。
    ヤナギの効能については1世紀頃に書かれた薬物誌「マテリア・メディカ」にも記されています。
    とても古くから人は身近な植物を利用していたのですね。
    その後19世紀に入ると、ヤナギの樹皮から「サリシン」という成分を分離して得られた「サリチル酸」という成分が、解熱鎮痛に働くことが化学的に判明しました。

    ではなぜ、サリチル酸は痛みを抑えることができるのでしょう?

    普通の人はあまりそこまで考えませんが、そうしたことを専門的に追求する一部の人(化学者)の好奇心と情熱によって、あらゆる科学技術は発展し、世の中を便利で快適で安全安心にしてきました。
    そんな人々の研究によって、サリチル酸は、人に痛みを感じさせる物質たちに働きかけて、その合成を阻害することで、人が感じる痛みを和らげていることがわかったのです。

    なお、アスピリンに依存性はないということですが、服用しすぎると胃を荒らします。
    鎮痛剤なのだから、胃の痛みにも効くはずと飲み続けると逆効果になるので気を付けましょう。

    世界で初めて人工合成された医薬品・アスピリンについては、近年さまざまな研究が進み、鎮痛解熱の他にも興味深い作用が発見されています。
    そんなアスピリンも大元を辿れば植物。
    知れば知るほど植物のチカラの奥深さと、人の知的好奇心・探究心の深さに感服せずにはいられません。

    ハーブやアロマには医薬品のような即効性はありませんが、植物化学成分が心や体へ優しく働きかけて調子を整えます。
    ハーブやアロマを学ぶと視界に医薬品が存在し、多くの学びや気づきを得ることになります。
    こうしたことも、植物を学ぶ面白さの一つなのです。