「季節の調べ」 | BOTANICAL LIFE TIPS
  • 2019/06/06

    「季節の調べ」

    こんにちは。佐佐木景子です。
    月日の経つのは早いもので、もう今年も前半最後の月となりました。
    令和の時代になって1カ月が過ぎ、少しずつこの文字と言葉の響きにも慣れてきたように感じています。
    改元を機に和の文化を見直したいと思う方も多くなったのではないでしょうか。
    来年のTokyo2020オリンピックも近づき、これから益々日本を意識する機会が多くなりそうです。

    さて、6月と言えば梅雨。蒸し暑い雨の日を思い浮かべるとちょっと憂鬱ですが、新緑の木々が恵みの雨に潤っている情景を思い浮かべると嬉しい気分になります。
    気持ちのいい季節は短く、梅雨の後にはすぐに猛暑。自然は厳しくもありますが、こうやって季節の移ろいを感じながら暮らせるのは、四季のある地域に生まれた特権であり、幸せな事なのだと感じます。
    今回は、季節と深く関わっている日本の12カ月の呼び名とその意味について、改めて振り返ってみようと思います。

    1月睦月(むつき)
    新年に家族や親せきが集まって睦みあう「陸び月」から転じたとされています。
    2月如月(きさらぎ)
    寒さから衣を重ね着する「衣更着(きさらぎ)」、草木が萌え出る「萌揺月(きさゆらぎづき)」から転じたとされています。
    3月弥生(やよい)
    「木草弥生い茂る(きくさいやおいしげる)」の意味から名付けられたそうです。
    4月卯月(うづき)
    卯の花が咲く月。稲穂を植える「植月(うづき)」「苗植月(なえうえづき)」の意味があるそうです。
    5月皐月(さつき)
    早苗(さなえ)を植える事で「早月」とも言います。「皐」は、神に捧げる稲の意味です。
    6月水無月(みなつき)
    水が無い月ではなく、「水の月」と解釈するのが一般的です。田植えが終わり、田に水を引いた状態から「田水の月(たみのつき)」「水張月(みずはりつき)」「水月(みなづき)」から転じたとされています。また、日差しが強くなり、田の水が干上がることから、「水の無い月」と言われたという説もあります。
    7月文月(ふみづき・ふづき)
    稲の穂が実る月「穂含月(ほふみづき)」。穂をよく見なくてはいけない月「穂見月(ほみづき)」から転じたとされています。また、文(詩)を書くという意味もあるそうです。
    8月葉月(はづき)
    稲穂が張る季節ということから「穂張り月(ほはりづき)」「発月(はりづき)」から転じたとされています。
    9月長月(ながつき)
    夜が長くなるので「夜長月(よながづき)」。稲穂の刈り入れ時期であることから「稲熟月(いなあがりづき)」「稲刈月(いなかりづき)」から転じたとも言われています。
    10月神無月(かんなづき)
    「神の月」の意味。新米で新酒を醸すことから「醸成月(かみなんづき)」、新嘗の準備をするので「神嘗月(かんなめづき)」から転じたとされています。
    全国各地の神様が出雲の国に集まる月なので、神様がいなくなるで「神無月」とされ、出雲では逆に「神有月」と呼ばれているという説も広く知られています。
    11月霜月(しもつき)
    寒さが進み、霜が降りる「霜降月(しもふりづき)」から転じたとされています。
    12月師走(しわす)
    年末で忙しく師(かつては僧侶)も走るという意味。また、一年が終わるという意味の「歳果つる(としはつる)」、仕事が終わるという意味の「仕極つ(しはつ)」、農事を全て終えたという意味の「し果つ月(しはつつき)」から転じたとも言われています。

    今回は一般的な解釈を取り上げました。調べてみると他にも諸説あり、とても興味深いものでした。
    稲作を神事として大切にしてきた昔の人々の暮らしが彷彿とさせられますね。
    月の呼び名だけではなく、古くからある二十四節気七十二候は、もっと細かく季節を分けています。現在とは少しズレがありますが、どの季節もその名前から情景が浮かぶようであり、皮膚に感覚が伝わってくるようです。
    自然がそのまま人の暮らしに活かされ、万物に神が宿ると考える私たちの暮らしは、豊なものなのだと改めて感じました。
    南北に長い日本の様々な地域の自然の美しさと、それら愛でることのできる心、植物と人との繋がりをこれからも大切にしたいと改めて感じました。

    佐佐木景子