スギやヒノキをせめないで… | BOTANICAL LIFE TIPS
  • 2019/01/10

    スギやヒノキをせめないで…

    新しい年が明けたばかりですが、自然は春に向かってすでに稼動中。春は楽しいことも多い中、花粉症の方にとってはユウウツな季節の到来といえます。

    今や国民病ともいえるほど広く蔓延している「花粉症」は、おもにスギやヒノキ、さらに身近な道端に生えるイネ科植物や、ブタクサなどキク科植物の花粉が原因となって起きる、アレルギー疾患です。ひと昔前までは「花粉症」などという言葉も知識もありませんでした。今これほどまでに発症者が増えている理由の一つは、1950年代からの林業政策の結果です。

    戦後の復興期に、経済的効率をもとめて成長の早いスギやヒノキが日本中の山に植えられました。ところが成長した木々がようやく売り物になる頃、海外から安い建材が輸入され始め、国産木材は商売にならなくなり、山から木を切り出す人はいなくなってしまいました。
    その結果、日本中に放置されたスギやヒノキの森が増え、手入れされずに大量の木々が弱っていきました。植物は弱ると、本能的に生殖活動を活発化します。今、弱ったスギやヒノキは、子孫を残そうと盛んに花を咲かせ、花粉をいっぱい放出しているのです。

    私たちが目にする山の緑は、一見して自然の姿に見えますが、それは本来の自然の姿ではないものが多いのです。人工的につくられた森や山で、生命の生き残りをかけて必死な植物たち。
    豊かになろうとして、自らの手で苦痛を生み出した人間たち。
    現代人の多くを悩ませている花粉症は、植物たちからのメッセージといえるでしょう。

    この状況を私たちはあまんじて受け、やり過ごさなければなりません。花粉の飛散量が増えるこれから4月までのあいだは、花粉を寄せ付けない身なりや、室内を掃除するなどの対策をしましょう。
    たとえ今は発症していない人でも、体内にはアレルゲンが蓄積された状態。それはコップの水があふれるように、いつか体内のバランスが失われる時がきたら発症します。だから、「わたしは花粉症じゃない」と思っている人も予防は大切です。

    発症してしまったら、植物療法ではネトルやエキナセアのハーブティーを飲みます。これらのハーブは毛細血管を強化して、免疫力を高め、アレルゲンを体外へ排除します。
    鼻炎などの症状を和らげるには、ラベンダーやティートゥリー、ユーカリで芳香浴や蒸気吸入をします。マスクの隅に、直接肌に触れないように注意して、これらの精油を1滴しみこませておいてもよいでしょう。